ベティ・ザ・キッド

ベティ・ザ・キッド
著者	秋田禎信
イラスト	山田外朗 ポリゴン番長 (3DCG)
ジャンル	ミリタリー、ファンタジー
連載
連載誌	ザ・スニーカー
期間	2009年6月号 - 2010年10月号
回数	全9回
発行	角川書店
文庫版
レーベル	角川スニーカー文庫
期間	2010年9月 - 2010年10月
巻数	全2巻
発行	角川書店

『ベティ・ザ・キッド』（Betty the KID.）は、秋田禎信のライトノベル。イラストは山田外朗（ニトロプラス）、3DCGはポリゴン番長。

2009年から2010年にかけて『ザ・スニーカー』（角川書店）誌上で連載された。

文庫は角川スニーカー文庫（角川書店）刊、全2巻。

概要

地表の大部分が砂漠と荒野に覆われた大陸を舞台とした、「銃」と「戦車」のウェスタン風SFガンアクション。『ザ・スニーカー』誌での連載は『シャンク！！ザ・レイトストーリー』以来およそ4年半ぶりとなり、文庫上巻の帯には「秋田禎信ライトノベルに帰還」と書かれた。

ストーリー

主人公エリザベス・スタリーヘブンは、町の保安官を務める父ゲイルと二人、慎ましやかな生活を送るごく普通の少女だった。しかしある日、ゲイルが何者かによって凄惨な拷問を受けた末に撃ち殺されるという無残な姿で発見され、エリザベスはその犯人として捕らえられ、法廷で極刑の判決を受けてしまう。刑の執行の前日、父のかつての相棒を名乗る老ガンマンの手引きによって、間一髪町から逃げ出すことに成功したエリザベスは、父が遺したメルカバ（＝戦車）と一丁の拳銃を手に賞金稼ぎのガンマン「キッド」を名乗り、自らに着せられた汚名を晴らすため、父の仇ロングストライドを追う復讐の旅に出た。

登場人物

ベティ （エリザベス・スタリーヘヴン）

メルカバを駆って砂漠を旅する若きガンマン。通称「賞金稼ぎのキッド」。その正体は、1年前に父親殺しという無実の罪を着せられた「少女」で、普段は男装によってその素性を隠している。これまで3度の決闘に勝利してきた凄腕の賞金稼ぎとして名を馳せているが、銃の扱いを覚えたのはごく最近で、その腕前は素人も同然。父を殺した真犯人である無法者ロングストライドと決着を着けるため、仲間と共に旅を続ける。銃は父の形見「COFモデル2」。

ウィリアム・ブレイク （ケニー・シュート）

ベティの旅に随伴する謎の男。保安官助手時代に逃亡中のベティと出会い、彼女に銃の扱い方と無法の世界で生き抜く術を教えた。実戦においても要所でベティに助言を与え、彼女のサポートに徹する。人間業ではない驚異的な戦闘能力と巧みなメルカバの操作技術を持っているが、過去の経歴は不明。

フラニー・ベリーズ

大陸先住民（シヤマニ）の父と入植者（ペオポルス）の母との間に生まれた、半シヤマニの少女。奴隷として人買いに売り渡されそうになっていたところを通りがかったベティに助けられ、成り行きのままベティたちの旅に同行することになる。普通の人間には見えないものを「見る」ことができる。

ロングストライド

高額の賞金を懸けられた筋金入りの大悪党で、ベティが父の仇として追っている男。大義も信条も持たず、「勝つ」ためにはあらゆるものを利用し、どんな手段もいとわない徹底した実利主義者。ある組織に金で雇われており、雇い主から与えられる指示に従って「天国帰り」の人間を探し回っている。

ビリー

ロングストライドの相棒。ロングストライドの生きる強さに感銘を覚え、舎弟のように付き従っている。頭の回転は鈍いが戦闘の腕は本物。

用語

メルカバ（戦車）

「ガンブリンガー」とも呼ばれる砂漠における最強の機動兵器。無限軌道式トラクター（キャタピラ）で砂の海を自在に渡り、船体は特殊な増殖再生装甲で守られる。現在は砂の下に埋没している先文明「シヤマニ」の遺産で、稼動するものはめったに発掘されない。「メルカバ」とはシヤマニの言葉で「神の船」を意味する。ベティの駆るメルカバ「ブルホエイル」は、亡き父ゲイルが遺した形見である。

砂ペンギン

鋼鉄の体皮とくちばしを持つ砂漠の生物。砂の下を自由に泳ぎ回ることができる。非常に獰猛。

シヤマニ

ペオポルス人の入植によって砂漠に追いやられた大陸の先住民。大陸にはかつて栄華を誇った高度な先文明が存在していたことが判っており、現在シヤマニと呼ばれている民はその滅びた先文明人の末裔である。

天国帰り

砂漠で遭難しながら幸運にも生還を果たした者のこと。特に、遭難時に体験した極限状態で正気を失った者のことを指す。

既刊一覧

1. ベティ・ザ・キッド（上） ISBN 9784044299057 2010年9月1日
2. ベティ・ザ・キッド（下） ISBN 9784044299064 2010年11月1日

外部リンク

• ザ・スニーカー